近代建築の三代巨匠として知られている建築家、ル・コルビュジエ。
世界遺産に登録されているル・コルビュジェの建築作品のうちの1つが、フランス・パリ郊外にある「サヴォア邸」です。
近代建築が好きなら絶対に訪れたい観光地の1つです。
パリ東駅からサヴォア邸までの行き方
サヴォア邸までは、パリから日帰りオプショナルツアーを利用することも可能です。
今回はツアーは使わず、個人で行ってみました。
サヴォア邸の最寄駅、ポワシー駅(Poissy)へ
まずは、サヴォア邸の最寄駅であるポワシー駅(Poissy)へ向かいます。
・パリ東駅(Paris-Est)からポワシー駅(Poissy)行きの電車が出ています。

約1時間ほどで、ポワシー駅(Poissy)に着きます。
ポワシー駅(Poissy)からサヴォア邸までの道は坂が続き、坂を30分ほど歩くと、サヴォア邸に着きます。
坂道が続き、傾斜もあるのでバスを利用しても良さそうです。
サヴォア邸までバスで行く方法
バスを利用する場合は、50番のLa Coudraie行きのバスに乗り、Villa Savoye停留所で下車します。

サヴォア邸まで徒歩で行く場合
もちろん、歩いて行くことも出来ます。
サヴォア邸までは、道標もあるので、歩きでも迷うことなく行けます。
ただ、住宅街を通り大きな看板は出ていないので、サヴォア邸を通り過ぎないように気をつけてください。「Villa Savoye」の案内表示のみ。
サヴォア邸まで歩くと右手に案内が見えてきます。ここから敷地内に入れます。

ちなみに、ポワシー駅(Poissy)からサヴォア邸までの道中には、ポワシーの歴史を知ることが出来る散策ルートがあります。
ポワシーはフランス歴代王の中でも名高い王の1人、聖王ルイ(Saint Louis)が生まれた王室の都市であり、建築遺産があります。
ぐるっと回りますが、散策しながらサヴァ邸まで行くこともできます。
ポワシー駅(Poissy)に散策ルートマップがあります。建築散策をしながらサヴォア邸に向かうのも良さそうです。

メゾン・ミニマム・ユニファミリアルの管理人兼庭師の家
サヴォア邸の案内板から、敷地内に入るとすぐ右側に「管理人兼庭師の家」があります。
この「管理人兼庭師の家」は、1929年のシアム国際会議で、ル・コルビュジエといとこのピエール・ジャンヌレによって発表された建築モデルです。
メゾン・ミニマム・ユニファミリアルによって建築された唯一の例になります。


世界文化遺産のサヴォア邸(外観〜建物内部の見学可能)
「管理人兼庭師の家」を過ぎると林が続き、林の中を抜けるとサヴォア邸の南側が見えてきます。
1931年(昭和6年)に完成したとは思えない現代的な建築で、1997年には修復されているので、より一層、最近建築されたように感じます。


細い柱で支えられたピロティの中に入り口があります。
入り口を入ると受付で、入場料を支払い受付横にあるリーフレットを貰います(日本語版あり)

受付から正面にまっすぐ延びるスロープで、2階へ上がることができます。

近代建築の5原則でできている住宅
サヴォア邸は、ル・コルビュジエが表明した理論「近代建築の5原則」でできている住宅です。
※近代建築の5原則とは、ピロティ・屋上庭園・自由な設計・自由なサファード・横長の連続窓のこと。
・屋上庭園
屋上庭園は、平らな屋根部を利用してテラスが設けられ、植物を植えることもできます。その水平ラインによって、建物から空がくっきりと際立つようになっています。
家の周囲をぐるりと取り囲んでいる窓に続く壁が、景色を切り取るフレームとなっています。



内部の構造、生活空間
サヴォア邸の生活空間は2階部分にあり、屋上庭園を中心にして配置されています。
全ての部屋において、窓の下に置かれたコンクリート製の棚が、アルミニウム製の引き戸の付いたクローゼットを覆っています。
リビング・キッチン・寝室・ゲストルーム・浴室などサヴォア邸の全てを見学することができます。
・浴室
浴室は、長椅子、布製のカーテン、光の差し込む窓によって、演劇舞台のような演出がなされています。


建築プロムナード
「建築プロムナード」は、ル・コルビュジエによって提案・実現されたコンセプトで、内側と外側の境界を消すように扱うものです。この建物の敷地は、セーヌ川流域の草原と果樹園に取り囲まれた芝地です。
ル・コルビュジュエは「家は、何も妨げずにオブジェのように芝生の上に置かれている」と言っているように、開口部と車寄せと玄関サファードのつくる対称性によって「前方」「後方」の概念が取り払われています。
1階部分は2階部分の影に隠れ、ピロティによって地面から切り離された建物を際立たせています。



自宅でサヴォア邸を楽しめる!
近代建築が好きなら1度は訪れたい場所、サヴォア邸。
日本に居ながらでも、ゆっくりサヴォア邸の全てを知ることが出来るのでオススメです。